お な や み 相 談  
当院にお問い合わせがあった質問をわかりやすくお答えします。

2日ほど耳の前辺りの顎関節があくびの時や大きく開ける際痛い。首のこり?が原因なのでしようか?

 2日ほど耳の前辺りの顎関節があくびの時や大きく開ける際痛いので、あくびもややかみころした状態でしてます。前に一度あたりめを食べて 2.3日とてもその辺りが痛かったのですが、今回は食べてないです。思い当たるのは 耳栓を朝までしっかりしていた左耳だけです。右は途中でいたくなったのではずしましたが、左は全く痛くなかったためそのままでした。耳栓でこのようになることがあるのでしょか?
 今日首をマッサージすると左耳の後ろの首すじがかなりこっていて明らかに右と違いました。
 首のこり?が原因なのでしようか?教えてほしいです。
 安原歯科医院の安原豊人です。
 症状からみて、やはり顎関節症の疑いがあります。
 顎関節症は、顎関節や口を開け閉めするための筋肉に様々な症状が起こる疾患群の総称です。
 咬み合わせのズレ、歯ぎしり、ストレス、姿勢などの要因が重なって発症する、生活習慣病と言われています。女性に多い病気で、症状が進むと日常生活さえままならないほどの痛みや機能障害が生じます。
 この顎関節症は、セルフリミティングな疾患と言われており、症状は放置していても緩和されて行くことが多いですが、その期間は長期にわたることがあるので、マウスピースなどにより治療を行った方が良いという考えが一般的です。
 また、一方で、生活習慣や心のストレスに影響される顎関節症として、
 ・就寝時の姿勢(うつ伏せ寝、横向き寝)
 ・長時間の食いしばり、歯ぎしり(夜間および日中の自覚できないものが多い)
 ・片咀嚼(片方噛み)癖
 ・歯科治療などの長時間の開口後の急な開け閉め
 ・硬いものを噛んだときの噛み違い
 ・大口を開けて歌を歌う
 ・頬杖をつく癖
 ・吹奏楽器を吹く、ヴァイオリンを弾く、などなど・・・があります。
 上記のようなきっかけで、顎関節症は発症することが多いといわれています。あなた様の場合の耳栓は関連が少ないと思われます。
 顎関節症の根本的な原因の一つに、歯列接触癖Tooth contact touching habit(TCH)と言われるものがあります。通常咀嚼(食べ物をかみ砕くこと)、嚥下、会話などの際、上下の歯列が接触する時間は1日で17.5分と言われていますが、寝ている時に人間の体は疲れたりストレスを感じたりすると無意識のうちにくいしばったり、歯ぎしりをしたりして上下の歯列が接触する時間は急激に増加し数時間に及ぶことがあります。このような状態が続くと、歯の噛み合わせや歯と歯肉の境目の部分が摩耗して穴が開いたり、むし歯も無いのに歯が凍みてきたり、知覚過敏の症状が出てくる場合もあります。しかもこのような状態は起きている時でも無意識のうちに行っている人が意外に多いことがわかっています。中には常に上下の歯が当たっているのが当たり前と思っている人もいます。顎関節症患者さんの50~70%にTCHがみられたという報告もあります。このことはTCHが顎関節症を悪化させるとも考えられています。
 治療は各種の適切なマウスピースを歯科医院で作製してもらって装着する。また、Tooth contact touching habitの行動変容療法としては、部屋に「歯をはなす」という文字を書いた「気付きの紙」を10枚以上貼って、その都度気をつけるようにすると改善されるケースもあります。また、歯の接触に気づいたら、ストレッチをすることで歯を接触する行動をまぎらわす、行動置換療法も有効といわれています。具体的には開口ストレッチを行います。舌の先を噛んだり、鼻歌を歌ってみるのもいいかもしれません。このように大体は生活習慣を改善すればいいのですが、中には悪化してしまう人がいます。
 咬み合わせが他の素因と重なる人や、性格的にデリケートで気にしやすい方などは要注意です。アメリカでは精神科医や理学療法士、歯科医師がチームを組んで治すほど、心のストレスに影響されるのも特徴です。要は生活習慣を見直し、明るく朗らかに人生をエンジョイすれば顎関節症は怖い病気では無いとも言えます。
 顎関節症だと診断されても、すぐに歯を削ったり、被せたりしないで、後戻りのきく治療を優先します。やはり第一選択はスプリントなどによる保存療法で可逆的な治療です。
 あなた様の場合のように、顎関節症が肩こりや頭痛の原因になることが、しばしばあります。
 通常は、マウスピースなど保存的な治療で様子をみることがほとんどですが、症状がきついときには、消炎鎮痛薬や中枢性の筋弛緩薬が処方される場合もあります。ご担当の先生の診断をお受けになることをお勧めいたします。

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