お な や み 相 談  
当院にお問い合わせがあった質問をわかりやすくお答えします。

舌の裏側の真ん中の筋のところに直径1センチくらいの風船のようなできものが…

 ・舌の裏側の真ん中の筋のところに直径1センチくらいの風船のようなできものができる。
 ・舌の裏側(相手から見て右側)の筋が太くなり先端が白っぽくなっている。常に痛い。熱いものや食事をすると痛い。(アレルギーなのか?)
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安原歯科医院の安原豊人です。
 風船のようなできものは、ガマ腫。筋が太くなり先端が白っぽくなっているのは、采状ヒダの口内炎と考えられます。
 ガマ腫は、口底部に片側性に現れ、やや青紫色を帯びた透明感のある貯留嚢胞です。表面の粘膜は薄く、ガマの咽頭嚢に似ているのでこの名があります。唾液の流出障害により生じるもので、導管の一部が外傷などにより損傷し、周囲組織中に唾液が漏出してできると考えられています。
 粘液嚢胞は幼児から老人にいたるまで広く認められ、性差も少ないものですが、ガマ腫は10~30歳台の女子に多いとされています。無痛性で、波動を触知する単房性の軟らかい膨隆として認められ、楕円形のものが多く、圧迫されて薄くなった粘膜を通して青紫色の嚢胞が透けて見えます。大きく増大すると、舌を挙上し、言語障害や嚥下障害を起こすこともあります。内溶液は透明粘稠な粘液性物質で、自壊すると膨隆は消失しますが、短期間に再発します。
 治療法には、
 ①嚢胞全摘出術
 ②開窓術
(頻繁に行われる方法で、嚢胞壁の上半分を切除して大きく開窓し、残りの嚢胞壁を口腔粘膜の一部とする方法です。開放部分が閉鎖して再度唾液が貯留しないように、開窓した嚢胞壁の辺縁を口腔粘膜と縫合して口腔内に開放しておく必要があります。)
 ③舌下腺体を含めた嚢胞全摘出術
(何度も再発を繰り返す症例には、舌下腺体を含めて嚢胞の摘出をはかることがあります。特に開窓術が困難な顎下型ガマ腫には、舌下腺体の摘出を同時に行ったほうが良いといわれています。)
 などがあり、大きさ部位などにより選択されます。
 がま腫の手術以外の治療法として、OK-432嚢胞内注入療法があります。OK-432(ピシバニール)という薬剤を注入する方法です。この薬は組織に炎症反応を起こさせて、腫れを収縮させる作用があることから、がま腫の治療などに応用されています。
 副作用として、発熱などがみられることがあります。局所麻酔で行われることが多いものです。大きさによっては、3、4回行うことが必要になりますが、注射針でたまっている唾液を抜き、代わりにこの薬を薄めた液を同量注入します。当院でも、現在は、ガマ腫の治療の第一選択としてOK-432嚢胞内注入療法を行っています。
 ペニシリン系抗菌薬にアレルギーの場合や、嚢胞壁が薄く破れやすい場合には、OK-432嚢胞内注入療法ではなく、従来の開窓術か、微小開窓法が良いでしょう。縫合糸で数糸ガマ腫に縫合糸を貫通させて経過観察する簡単な処置です。どちらも、通常入院は必要ありません。患者様にも優しい治療法です。ご安心ください。お近くの口腔外科でご相談されることをおすすめいたします。舌の裏の采状ヒダ(さいじょうひだ)は、舌下腺からの唾液の分泌が認められる部分です。正常なものなのでご安心ください。同部にしばしば、口内炎を形成して腫れたり痛んだりすることがあります。
 舌の下は下の歯によく触れるので、いったんできるとなかなか治らないものです。症状が続くようならお近くの歯科口腔外科を受診されることをお勧めいたします。

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