お な や み 相 談  
当院にお問い合わせがあった質問をわかりやすくお答えします。

ここ1週間ほど、しばらく右顎だけ何か食べようとしたり口を開けたりすると、ガクガクと鳴り痛みがあるのですが顎関節症なのでしょうか?

 初めてお問い合わせさせていただきます。
 ここ1週間ほど、しばらく右顎だけ何か食べようとしたり口を開けたりすると、ガクガクと鳴り痛みがあるのですが顎関節症なのでしょうか?
 やはり、一度病院へ行った方が良いですか?

 安原歯科医院の安原豊人です。
 その後いかがでしょうか?症状が続いているようならやはり顎関節症の疑いがあります。顎関節症は、顎関節や口を開け閉めするための筋肉に様々な症状が起こる疾患群の総称です。
 咬み合わせのズレ、歯ぎしり、ストレス、姿勢などの要因が重なって発症する、生活習慣病と言われています。女性に多い病気で、症状が進むと日常生活さえままならないほどの痛みや機能障害が生じます。
 この顎関節症は、セルフリミティングな疾患と言われており、症状は放置していても緩和されて行くことが多いですが、その期間は長期にわたることがあるので、マウスピースなどにより治療を行った方が良いという考えが一般的です。
 また、一方で、生活習慣や心のストレスに影響される顎関節症として、
 ・就寝時の姿勢(うつ伏せ寝、横向き寝)
 ・長時間の食いしばり、歯ぎしり(夜間および日中の自覚できないものが多い)
 ・片咀嚼(片方噛み)癖
 ・歯科治療などの長時間の開口後の急な開け閉め
 ・硬いものを噛んだときの噛み違い
 ・頬杖をつく癖
 ・吹奏楽器を吹く、ヴァイオリンを弾く、などなど・・・があります。
 上記のようなきっかけで、顎関節症は発症することが多いといわれています。
 顎関節症の根本的な原因の一つに、歯列接触癖Tooth contact touching habit(TCH)と言われるものがあります。通常咀嚼(食べ物をかみ砕くこと)、嚥下、会話などの際、上下の歯列が接触する時間は1日で17.5分と言われていますが、寝ている時に人間の体は疲れたりストレスを感じたりすると無意識のうちにくいしばったり、歯ぎしりをしたりして上下の歯列が接触する時間は急激に増加し数時間に及ぶことがあります。このような状態が続くと、歯の噛み合わせや歯と歯肉の境目の部分が摩耗して穴が開いたり、むし歯も無いのに歯が凍みてきたり、知覚過敏の症状が出てくる場合もあります。しかもこのような状態は起きている時でも無意識のうちに行っている人が意外に多いことがわかっています。中には常に上下の歯が当たっているのが当たり前と思っている人もいます。顎関節症患者さんの50~70%にTCHがみられたという報告もあります。このことはTCHが顎関節症を悪化させるとも考えられています。
 治療は各種の適切なマウスピースを歯科医院で作製してもらって装着する。また、Tooth contact touching habitの行動変容療法としては、部屋に「歯をはなす」という文字を書いた「気付きの紙」を10枚以上貼って、その都度気をつけるようにすると改善されるケースもあります。また、歯の接触に気づいたら、ストレッチをすることで歯を接触する行動をまぎらわす、行動置換療法も有効といわれています。具体的には開口ストレッチを行います。舌の先を噛んだり、鼻歌を歌ってみるのもいいかもしれません。このように大体は生活習慣を改善すればいいのですが、中には悪化してしまう人がいます。
 咬み合わせが他の素因と重なる人や、性格的にデリケートで気にしやすい方などは要注意です。
 顎関節症だと診断されても、すぐに歯を削ったり、被せたりしないで、後戻りのきく治療を優先します。やはり第一選択はスプリントなどによる保存療法です。症状がきついときには、消炎鎮痛薬や中枢性の筋弛緩薬が処方される場合もあります。一度受診されることをお勧めいたします。

ご気軽にご相談ください

似たような症状でも人によって状態は変わります。気になることがありましたら、ささいなことでもご気軽にご相談ください。
無料相談